スマホ普及後、日本の方々の多くはLINEをメインの連絡ツールとして頻繁に利用していることと思う。日常生活における連絡・電話、タイムラインによる近況報告、加えて企業用アカウントの配信など、多種多様な用途が増えて今では個人の商売にも多く利用されている。
なぜ近年LINEアカウントのアカウントBANが増えてきたのか

近年、職業の多様性もあり、個人・企業における商売の宣伝などでLINEの活用が増えてきた。そんな中、人を騙してお金を搾取する所謂『詐欺』事件も多発し、LINE運営側もガイドラインを厳しくし、疑わしいものはアカウントを凍結させることで対策をとっている。だがギリギリの隙間を狙う商売は後を絶たないため、規制は常に厳しくなり続けている。弊社のシステム『UTAGE』も使い方によっては凍結される可能性はあるため、どのような宣伝方法をとるのかが重要である。
BANされるアカウントの特徴
細かく挙げていくとキリが無いため大きく3つに分けてBAN対象の特徴を挙げていく。
①情報商材
『儲かる』『儲ける』などと謳って集客し、メールマガジン登録やDVD販売やセミナー開催という営業をするもの。
②能力開発商材
『〇〇するだけ』など消費者が簡単に始められるような内容を謳って、メールマガジン登録、動画・DVD販売、セミナー開催を行うもの。
③公序良俗に反する勧誘
所謂『出会い系』や『性表現を含むコンテンツ』の提供をするもの。
LINE公式アカウントガイドラインによる禁止事項
①スマートフォンで操作・閲覧できないページへのリンク
スマートフォン(iOS、Android)の標準ブラウザで操作・閲覧できないページヘのリンクを控える。リンク先のページがスマートフォンで正常に動作することを推奨。
②リンク先の制限
メッセージタイトルと本文、リンク先ページが関係し、ユーザーからみて不自然でない内容である場合にリンク先を送って良い。
③ユーザーが誤認や誤操作を行う可能性のある表現
リンク領域が不明瞭、実際に機能しないボタンやメニュー等を取りつけない。
④アカウント名称の変更
認証済アカウントの名称変更は原則できない。
※企業名・サービス名等が変更となったことが要因でアカウント名称の変更を希望する場合は、再審査が可能。
⑤アイコン画像の変更
アイコン画像は『アカウント名称に関連した画像』が推奨される。本サービスの仕様上、変更すると1時間後まで再変更できかねます。また友だち数が一定数以上のお客様についてはお客様ご自身で変更することはできないため注意が必要。
⑥投稿内容の訂正
投稿内容の訂正時には必ず訂正メッセージであることを明記し、ご投稿ください。 訂正投稿は通常の投稿と同じく課金される。
LINE公式アカウントBANの流れ
①AIによる送信したメッセージ単語の自動チェック
②LINE友達からの一定数の通報
③短期間でのブロック数の異常値の検出
④友達追加したユーザー属性のチェック
⑤アカウント所有者のアカウントBAN数が統合点数の閾値を超える
⑥目視でチェック
⑦アカウントBAN
⑧AIにさらに学習させ、その後の垢BAN自動チェックの性能を上げる
避けるべき集客ワード

①「儲かる/儲ける」などの内容を謳って集客し、メールマガジン登録へ誘導する。
②「儲かる/儲ける」などの内容を謳って集客し、セミナー開催へ誘導する。
③「〇〇するだけ」等、消費者が簡単に始められるような内容を謳って、メールマガジン登録へ誘導する。
④「〇〇するだけ」等、消費者が簡単に始められるような内容を謳って、セミナー開催へ誘導する。
アカウントのBAN対策(事業レベル)
①リスクの高い商品・サービスは取り扱わないようにする。
→投資系、いわゆる稼ぐ系を取り扱わないなど。
②現状の事業ドメインの中でもリスクの低い商品・サービスを取り扱うようにする。
→ビジネス系のスクールでもゼロイチの方は対象とせず、toBカラーが強いスクールにするなど。
(ゼロイチの方を対象にすると簡単に始められると謳っていると思われる。)
アカウントのBAN対策(運用レベル)
①興味のある方たちだけに友だち追加させる(通報するような方には訴求しない)
たとえば、プレゼントキャンペーンは注意。
『LINE登録者にプレゼントを渡す』キャンペーンはよくあるが、全く興味のない人にプレゼントをしてしまうと、プレゼントをもらった上で通報したり、プレゼントをもらった上で即ブロックしてブロックの異常値が検知される可能性が出てくる。
②全リストには一斉送信しない、一斉送信が必要な時はエンゲージが高い方だけに送る(クリックがある方のみに配信する、あるいは登録後にボタンをタップさせ、タップした方のみ配信する)
しばらく配信していなかったアカウントで一斉配信したら垢BANが発生したというケースが多々ある。
時間を空けて一斉送信したら、大量に即ブロックされて、異常値が検出され垢BANされる。一斉送信をする場合は、普段何かしらの反応がある人にだけ送ることが推奨される。
UTAGE上で実施するのであれば一斉送信時に配信条件で、『◯◯日間クリックしている人だけに配信する』という条件を組む。
または、事前にラベルをつけ、特定のラベルがある方だけに配信するなどの設定をすること。
③ステップ配信もエンゲージが高い方だけに送る
同様の理由。
④際どい単語は使わない
「楽して儲ける/儲かる」「〇〇するだけで」などと誤解を生むような意味合いの言葉は使わない。明らかにBANされそうな言葉は使わないのが賢明。
LINEはあくまでページを開く媒体にして、ページ側でちょっと強めの表現を使うなどは一つの対策として挙げられる。
⑤独自ドメインベースでLINE公式アカウントと連携する(影響は軽微)
UTAGEのシステムがマークされるのが嫌なため、独自ドメインを使っている時はLINE公式アカウントに連携するwebフックURLも独自ドメインベースで連携されるようになっている。
LINE公式側からするとUTAGEと繋がっていても独自ドメインベースでwebフックURLが入るので、UTAGEを使っているというのがLINE公式上で判断できなくなる。
独自ドメインでUTAGEの管理画面を開き、独自ドメインのメッセージングAPI設定の画面で連携すると独自ドメインベースで連携されるようになる。
ただし、どのツールを使っているのかはあまり影響しないようなので、気にしなくてもいい。
もしもBANされた場合の対策

どんなに考えて対策を練っていてもBANされる時はされてしまうことも中にはある。そのため、『BANされない方法』よりも『BANされた場合に影響を抑える方法』に注力することが一番力を入れるべき点といえる。
その中で重要な点をいくつかご紹介する。
①BANされることを前提にフローを組んでおく
最近では気をつけていてもBANされるので、BANされることを前提に対策を取っておくことが重要。
『BANされるから』とLINEを使うと売り上げが減る可能性がある。
マーケティング上はLINEを使う方が効果が高いので、BANされるからと言ってやめないほうが良い。
②セールスまでのシナリオを細分化して複数のLINEアカウントを跨ぐようにし、全てのLINEアカウントが落ちないようにする(外部からの登録用LINE・セミナー個別相談用LINE・購入者用LINEなど)
細かくLINEアカウントを区切っておけば、一つBANされても消えてしまうことはないので、落ちてしまった場合のリスクを低くすることができる。
③メール、SMSなど別媒体で配信できる体制を用意する(自動ウェビナー、セミナー、個別相談では携帯番号をとってSMSを送れるようにする)
最近注目されているのがショートメール。ちなみにUTAGEではショートメールを送る機能もある。
上記は有料課金制になっており、一通税込8円でショートメールを送ることができる。
運用中にLINEのアカウントBANが発生してもショートメールで『本日の参加URLはこちら』と送ることができる。
セミナーに関しては、BANされる・されないに関わらず、ショートメールを送ることで着座率が上がるということがあるので、ショートメールの運用がオススメ。
いざという時のためにショートメールを送れるようにしておくのがオススメ。
④自動ウェビナーで携帯電番号を取る
最近UTAGEに追加された機能で、サイドメニューで動作メールアドレスを登録する場合は表示項目として、メールアドレス、携帯番号、参加日などの設定をして、申し込み時に携帯電話番号を取る機能がある。
この機能を利用し、タイミングを見つけて携帯電話番号を取ることが望ましい。
自動ウェビナーの場合は、ウェビナーフォームを使うか、カスタムフォームの機能でも電話番号を取れるようになっている。
⑤セミナーの申し込みで携帯電話番号を取る方法
こちらにはデフォルトで携帯電話番号を入れる欄がある。
⑥個別相談で携帯電話番号を取る方法
サイドメニューの『申し込みフォーム・申込者設定』のところで、携帯電話番号を登録するに設定する。
申し込みフォームに携帯電話番号の欄がでてくる。
⑦広告を出す際に複数のLINE公式アカウントを用意しリスクを分散させておく
広告経由で集客していて、運用客が多い場合は、オプトインの段階で複数のアカウントを用意しておくのが望ましい。
BANされた後の復旧を早くするには?
①BANされた際に切替がすぐにできる対応フローを用意しておく
垢BANされてから対応すると、焦って作業ミスが起きたり、復旧に時間がかかる。
そのため、事前に対応フローを組んでおくことが望ましい。
②BANされた際にUTAGEの配信がアカウントコピーの機能を利用する
アカウント一覧で、垢BANされた配信アカウントをコピーすると
UTAGE上で設定内容を引き継いで配信アカウントが作成できるようになっている。
③コピー時に内部の文字列の差し替えが簡単にできるように、独自置き換え文字の機能を利用する
具体的にはメール内で『LINEの登録はこちらから』と登録の誘導を入れると思うが、BANされて配信アカウントが変わったら登録用のURLも変わってしまう。その際にメール文面を書き換えるのは手間が多い。
独自置き換え文字という機能がある。
上記で設定した置き換え文字をメール内に入れると、全てのメールをいじらなくても、全てのメールに反映される。
④アカウントBANされる前にBANされた後に切り替えるLINEアカウントを用意しておく
どれだけ早くアカウントを切り替えられるかによって、UTAGEでの損失が抑えられる。
BAN時の運用で絶対に気を付けるべきポイント!
①BANされた際に連携情報を差し替えるのはNG。(必ずアカウントコピーをする)
特にやってはいけないことは、LINEのアカウント設定を新しいアカウントのチャネルIDとシークレットに差し替えること。
アカウント切替前に登録した友達と、アカウント切替後に登録した友達が混ざり、『アカウント切替前に登録した人には送信できず、アカウント切替後に登録した人には送信できる』などの不整合状態が発生する。
また、他の注意点としては『垢BANされると、される前に追加された友達にもメッセージは送れず、新しいアカウントを立ち上げても、メッセージは送れない。』
そのため、再度追加してもらう必要がある。
これは、LINE公式の仕様で、オプトインした人にしかメッセージが送れないようになっている。
垢BANされたらLINEの友達は引き継げない。
ただ、メールアドレスや携帯電話番号をとっていれば、連絡手段があるため、垢BANされる前に取っておくことが望ましい。
よくある質問

Q. すでに垢BANされた複数のアカウントを所持している場合、別のLINE公式アカウントマネージャーを作った方がいいと思うか
A.別の方が少し監視が緩くなると思われる。
おそらくLINE公式アカウントマネージャーでどのくらい垢BANされたかで、チェックの厳しさが変わってくる可能性がある。
Q. よくある運用上のミスとは
A. メールとLINEで配信したメールメッセージ内のURLは各受信者ごとの個別のURLになっていて、いろんな検測とかのためにURL置換をしているが、そのURLをコピーしてXで集客用に使ってしまうなど。
個別のURLを全体に使ってしまうと上手くいかなくなるので注意。
たとえばファネルのページのURLは、このURLをコピーしてメールで配信して、メールで配信したURLをコピーして広告に出すと動かないことがある。
基本は、URLを取得する場合は、ファネルであれば、上記のページからURLを取得する。
登録経路を使うのであれば、登録経路で発行したURLを使う。LINEやメールで送られてきたURLを集客用に使うとデータの不整合が起きる。
Q. LINEは月5000円のを登録しているがショートメールは何も契約していない。リマインドを送るには別に契約が必要?
A. UTAGEを登録していればショートメールを送るための別契約は必要ない。
ただ、ショートメールを送るには従量課金で事前に送りたい分チャージする必要がある。
上のメニューのメール・LINE配信を開き、サイドメニューのSMSの利用設定から残り送信クレジットを追加してもらう必要がある。
チャージすれば、配信の機能項目から、一斉送信であれば予約中から、SMSを追加で送ることもできる。
または、ステップ配信で登録後に送りたいという場合は、サイドメニューのステップ配信を選び、同じようにSMSを追加し送ることもできる。
リマインダ配信の場合も同様にSMS追加すれば送ることができる。
Q. 投資系だが通常配信でBANはないが、認証アカウントで申請を出したら審査結果と同時にBANされた。
A. LINE公式アカウントは認証が通っていればBANされにくい。認証の審査が通らなかったら通らなかったタイミングでBANされるフローもある。
運用中に審査に出すとアカウントがBANされる可能性があるため、運用前に審査に出すことが望ましい。
Q. 最近メールが届かない人が3割ほどいる。迷惑メールにも届いていない。iCloudの人もいれば、Gmailの人もいる。届いている人もいれば届いていない人もいる。お客様に事前にお願いできることなどはあるか?
A. リストの取り扱いの仕方による。
おそらく送信数が一気に増え過ぎている。
最近のGmailの仕組みとして新しい送信サーバーから一気に送信数が増えていくとスパムと検知される。
そうすると、特定の送信数までは送るが途中から遅延したり、遅延してる状態でさらに送ろうとすると、余計に遅延し最終的に届かないということが発生する。
対策としては徐々に送信数を増やしていく。
1日100通送り、その次は200通、次は300通400通と増やしていく。
LINEアカウントBANに対する重要な鍵

①情報商材や能力開発商材を取り扱わない
②エンゲージの高い特定の対象にのみ配信する
③1段階ずつ、アカウントを分けてBAN時のリスクマネージメントをする